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相続税の意義についてご紹介いたします。
相続税は所得税の補完税
相続税は、被相続の死亡により相続又は遺贈という形で配偶者や子などの相続人に移転する財産に対し担税力を見出して課される租税です。
被相続人が生前に受けるべき所得課税の負担が軽減され、その蓄積された財産を相続開始の時点で清算すると考えられることから、相続税は所得課税を補完する機能を持つと言われています。
所得課税は、その税率の累進構造の下で垂直的公平の確保を図っていますが、相続税はその補完的役割を担うのに適した税制と言えます。
資産再配分機能
さらに、相続人等が得た偶然の富の増加に対して課税することで、相続しなかった者との財産保有状況の均衡を図り、富の過度な集中を抑制する資産再分配の機能があります。
また、少子・高齢化と人口減少、金融取引の多様化・経済のストック化、所得分布の動向等といった経済社会の大きな構造変化に調和した税制の構築が課題となるところ、景気の動向に左右されない安定的な税収財源として、累進構造を通じた富の再分配機能を有した相続税の果たすべき意義は大きいと言えるでしょう。
日本を除くG7諸国(アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・カナダ)の税制をみると、カナダ以外の国は相続税が制度化されています。なお、カナダでも、相続による財産移転の一部にキャピタルゲイン課税を行っていることから、相続税の機能の一部を所得税に補完していると考えられます。
アメリカは2001 年の税制改正により、2009 年までの間に段階的な減税措置がとられ、2010年に一度相続税制を廃止していますが、その減税法が時限立法であったため、同年には相続税制が再開されています。イタリアでは、2001 年の税制改正により相続税制度が廃止されましたが、2006年から再度導入されている状況です。
主要7 か国における相続税制への対応をみれば、それがいかに重要な課税制度であるか分かるのではないでしょうか。
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